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屋久島の杉のうち、原料の生産に利用されるのは間伐期にある「地杉」。
間伐された木材を細かく粉砕して抽出機に入れ、白谷雲水峡付近の山々を水源とする超軟水の自然水を使って、水蒸気蒸留法で精油を抽出します。
産出されるのは精油だけではありません。副産物のアロマウォーター、通常は廃棄されるディープウォーターやブレスチップにも多くの活性成分が存在し、有用な機能性を持った原料として利用することができます。
これらの原料は、屋久島の森づくりから生まれます。森が健全に更新されることで再生可能な資源になり、安定的に原料が得られる。そのため、原料を製品化して得られる収益を森づくりの費用として充当する。森と人が相互に活かし合い、尊重し合って、どちらもが持続可能な循環型の生産になることを目指しています。



世界自然遺産の島・屋久島の杉。
全島の90%を覆う深い森の中に、1,000年を超える桁はずれに長い樹齢の杉が自生しています。
屋久島は、1,500万年前に地中深くで冷え固まった花崗岩が隆起した島。巨大な花崗岩の隆起は、洋上に2,000メートル近い連峰を形成しました。山頂付近は雪の降る亜寒帯、平地に降りると温暖湿潤な亜熱帯。ほぼ垂直に気候帯が分布する特異な地形は、暖かい海の風が急峻な連峰にぶつかって、「月に35日降る」といわれるほど大量の雨をもたらします。
花崗岩の上に堆積した栄養の少ない表土では、樹木の成長が遅く木目が詰まる。
そして、高温多湿の環境のため抗菌性のある樹脂成分が多く腐りにくい。
それが、屋久島の杉が長寿である要因。
屋久島では、樹齢1,000年を越えるものを「屋久杉」、1,000年以下のものを「小杉」と呼び分け、さらに、人工的に植林された杉を「地杉」と呼んでいます。そのいずれも屋久島の厳しい自然環境にあって、戦後に植林された樹齢の若い「地杉」にも、1,000年以上の「屋久杉」に通じる特有の性質が、同じように引き継がれているのです。

戦後の造林政策と林業の衰退によって、屋久島でも森林荒廃の問題を抱えていました。
人工林は、適切な間伐を行わないと、密集しすぎて木々の成長が遅れたり、下草が生えないために保水力を失ったり、土砂の崩落を招いたりと、重層的な荒廃を招きます。
そこで、間伐を促進する森づくりの新たな方法として、間伐材から精油を抽出し、製品化する方法が試みられました。
森づくりの中から原料を得て製品化し、それを販売することで利益を生む。その利益から、森づくりの仕事に対価を分配し、また新たな生産につなげることができる。
地域に仕事が生まれ、仕事を担う人々が集まって、再生可能な森林資源を守り育て、持続可能な経済の循環が生まれるのです。
現在は、森林の所有者と一緒に森を手入れし、事業につながる針葉樹だけではない、多様な樹種の新しい苗を植えながら、健全な未来の森づくりに取組んでいます。


屋久島の希有な自然環境で育った杉には、様々な機能性を持つ有効成分が多く含まれています。
私たちの健康や環境をすこやかに保つ力を、植物から生まれる天然原料は持っているのです。
人と自然が活かし合う持続可能な生産を通して、森のめぐみを日々の暮らしへお届けします。




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これらの原料は、化粧品や薬品、洗浄剤、食品をはじめとする様々な生活用品に利用することができます。 既に、スキンケアやルームフレグランスなどの分野で、エアフレッシュナー、ディフューザー、ボディパウダーやスキンケアクリームなどの製品に利用されており、主に香りの良さとリラックス効果で高い実感が認められています。
さらに実験で測定された結果から、香りの効果だけではなく、抗酸化、抗菌、メラニン生成抑制や消臭の効果を利用した、さまざまな分野の製品づくりに役立つことが期待できます。


睡眠問題
現代の暮らしは睡眠不足。日本はOECD加盟各国の中でも最短水準の睡眠時間で、4人にひとりが睡眠に何らかの問題を抱えています。
複雑化する社会構造の中で生じるストレスも多く、暮らしの中でリラックスする時間を持つことはとても大切。
そんなときに、屋久島地杉の香りを利用した製品が役立ちます。
誘眠作用が実証されているセドロールなどの芳香成分が、屋久島地杉には一般的な杉の約20倍含まれていることがわかりました。
※
※山本由華吏ら、(2003)日本生理人類学会誌、8(2)、25


アレルギー問題
最近は、室内に生息するチリダニ類によるアレルギーも問題になっています。
気密性の高い住宅は、冬でも暖かく湿度も高く、チリダニ類の異常繁殖に繋がっているのです。
増え過ぎてしまうチリダニ類を抑制する増殖抑制や忌避効果も、地杉の精油を利用した実験で実証されました。

暮らしの中の製品活用例



過酷な環境で育った屋久島の地杉は、芳香成分や樹脂成分を全般的に多く含んでいますが、特に、セドロール、クリプトメリオン、ユーデスモール、ツヨプセンといった、主に防虫、抗菌やリラックス効果などの生理活性を持つ成分が、一般的な杉に比べて約5倍から20倍近くまで含まれていることがわかっています。
木材部位や原料ごとの実験では、リラックス効果や、抗酸化活性、メラニン生成抑制、室内塵ダニの抑制、黄色ブドウ球菌をはじめとする抗菌活性、アンモニアやホルムアルデヒドの消臭など、幅広く生活に役立つ効果が確認できています。
類稀な長寿の要因である有効成分含有量の多さは、これらの原料にも引き継がれていて、部位によって非常に強い効果を示しています。用途に合わせて選択的に原料を利用することで、天然原料に由来する製品づくりの可能性が拡がります。
地杉の部位と主な成分


私たちは、屋久島の森林保全に関わりながら、自然と人間の関係を正しく理解し、相互に活かし合い、持続的に共生できる社会を目指しています。
私たちが健やかに暮らすために、森林は大きな役割を果たしています。地球環境を守り、心と身体の健康を促し、快適で心地よい暮らしを助けてくれる多くのものを、森林は生産しているのです。
それを一方的に享受し続けるだけでは森林は疲弊します。森林の価値を正しく認識し、正しい方法でその利用を促進し、価値を損なうことのない、持続可能な循環型の生産を維持することが必要です。
このサイトでは、屋久島の杉に関する研究結果に基づいて、森林を保全しながら資源として有益に利用するための情報を掲載します。そうすることで、屋久島の杉に由来する原料の適切な利用が促進され、森林からの持続的な生産が可能になるとともに、自然と人間の関係についての理解が促進されることを願っています。